2007年12月31日月曜日

◆2007年もあとわずかになりました

 今年の年初に、通っている手話教室で「今年の目標を手話で表現して」といわれ、何も考えてなかったのですが、とっさに3つ答えました。1つはやせること。2つ目は仕事において新しい取り組みを形にすべく頑張ること。3つ目は家事や育児など、家のことをこれまで以上にやる、ということでした。
 2007年も終わりに近付いて振り返ってみると、1つ目については、残念ながら逆に太ってしまいました。。一駅歩いたり、夜中にジョギングをしたりとはじめてみたものの続かない、というパターンでした。2つ目の仕事に関する目標については、「新しい取り組み」というのがお客様に提供できる「新しいサービス」をイメージしていたので、個人的にはそういった動きをしていたものの、組織としてみたときにはやはり不本意な状態です。3つめの家事のことについては、自分としては頑張ったと思うのですが、評価というのは人に評価されて初めて評価とだと言えるので、今日にでもうちの奥さんに聞いてみたいと思います。
 さて、年初には目標になかったものの、今年自分の中で大きかったのがこのブログです。始めたきっかけについては最初の投稿であったのでここでは省略しますが、内容を考えるときにイメージしていたのは、私が敬愛する諏訪良武さんが、事業を再生するときに、全社員に対して書き続けた「事業部長からの手紙」という冊子の内容でした。その手紙には、読む人にとって常に新しい視点と、問題解決に向けた勇気をあたえてくれて、かつ年長者ならではの優しさにあふれていました。私も人に気づきを与えられるような文章を書きたいと思い、このブログを始めたわけですが、自分で読んでもなんだか未熟な文章であることを感じていますし、当然アクセスもほとんどありません。それでもこのブログを始めたことで得られたことがあります。1つは、日常の中で気づいたこと、考えたことを、(以前はそのまま忘れてしまうことが多かったと思うのですが)このブログを始めてから常に小さなメモ帳を手元に置き、忘れないように書き留めておく癖がついたこと。もうひとつは、今読んでいる梅田望夫さんの「ウェブ進化論」と「ウェブ時代をゆく」について、実感を持って読み進めることができ、大きな知的刺激を得ることができたということです。(学びて時にこれを習うの心境でしょうか)
 来年もブログや読書を通じて、常に知的な刺激を求め、そして実践につなげていく年にしたいと思います。

2007年12月24日月曜日

◆ご近所の底力?!

 この3連休は、ご他聞に漏れず我が家でも大掃除でした。妻と分担で掃除しますが、体力を必要とするところは私の役割です。中でも悩ましかったのがベランダの掃除。1年前くらいからハトが居つくようになってしまい、隣家との間仕切りのあたりはいつもハトのフンで大変なことになっています。(ちなみに我が家は公団の住宅の5階です。)
 デッキブラシを買ってきて、水をまきながらきれいに掃除をしても、翌日には既にいくつものフンの跡が。。。この大掃除のタイミングでこのフン害を何とかしてやろうとネットで対策を探していました。
 よくあるのが、ハト避けネットで、これはホームセンターでも売ってます。ただ、これはベランダの外側全体をネットで覆ってハトの侵入を防ぐもので、見た目も悪いですし、隣家からハトが入ってくれば何にもなりません。他にもテグスや樹脂のトゲトゲを利用して、ハトが手すりや間仕切りの上にとまらないようにするものもネットで売ってましたが、値段が張りますし、この連休中での大掃除に間に合いません。何せどんなにきれいにしても、次の日にはフンで汚れてしまうのです。
 で、とあるサイトで見つけた対策を試したのですが、こればが効果テキメン。その対策実施後、ハトは来ることは来るのですが、長居をしません。その対策とは「磁石」です。何でも鳥類は体内に磁石を持っているそうで、強力な磁場に入り込むとその磁石が狂ってしまうため近付かない修正があるそうです。(伝書鳩とかこの磁石が関係しているのでしょうか?)
 「強力な磁石」というのがどれくらいのものか、その基準はよく分からないのですが、私はホームセンターで1200ガウスとかいてある小さな磁石を買って隣家との間仕切りの上に5個ずつ両面テープで設置したのと、ベランダの手すりに工具用のトレイについていた固定用の磁石(直径10センチ程度の強力なもの)を2個設置しました。
 対策からまだ2,3日しか経ってませんが、今のところはフンの被害にあっていません。以前デッキブラシできれいに掃除した3日後にはフンまみれだったことを考えればおそらく効果はあるのでしょう。(参考にさせていただいたサイト http://www.nhk.or.jp/gokinjo/backnumber/031016_2.html
 ちなみに、我が家に遅れること1日、両隣のご家族も大掃除だったらしく、今朝見ると両側のベランダの隙間からゴミがこちらに掃き出されていました。。。ネット上のご近所の方が親切なようです。。。


~後日談~
 鳩はしばらく来なかったのですが、次第に慣れるようで、2週間くらい経ったらまた来るようになってしまいました。。。もう少し強力な対策が必要です。

2007年12月17日月曜日

◆外交よりも内交の方が難しい

 以前に私は歴史小説が好きということを書いたことがありますが、中でも司馬遼太郎のファンです。特に幕末、明治維新頃を題材にした小説が好きで、「竜馬が行く」「翔ぶが如く」「燃えよ剣」「世に棲む日々」など、熱い時代の志士達の活躍を読むと、影響を受けやすい私は自分の仕事にもさらに熱が入ったりします。
 歴史小説は基本的には娯楽として読んでいるのですが、歴史の中でその時代の政治や戦争などのシーンにおいて、キーとなる人物の考え方や、重大な局面においてどのように意思決定したかということが描かれている部分は普遍的な教訓を含んでいると思っています。

 タイトルの「外交よりも内交の方が難しい」とは、今読んでいる「坂の上の雲」に出てきます。小村寿太郎の言葉だそうです。小村寿太郎といえば、不平等条約の改正の際の外務大臣ということで、教科書にも出てきますが、歴史に残る外交のプロフェッショナルがこのような言葉を残したということに興味を覚えます。時代の背景としては、日本がロシアとの戦争が不可避な状況になりつつあるときに、正規の外交ルートでは日英同盟の交渉が刻々と進んでいるにも関わらず、明治維新の元勲・伊藤博文(司馬遼太郎によれば、彼はとても現実家であったそうです)が日露同盟の交渉を単独で進めるなどして、彼の後輩である政府の面々を困らせたということを表しています。
 企業における仕事においても「外交よりも内交の方が難しい」というシーンが意外とあるのかも知れません。当然企業における良識派は、伊藤博文のように現実化であるべきだと思いますが、お客様を動かすよりも自分の社内を動かすことが難しいようだと、気付かないうちに様々な機会を失ってしまっている、なんてこということも多いのかもしれません。生意気な考えですが、組織のTOPは、この内交の難しさが度を越えて大きくなってしまわないように目配りをしておく必要があるのだと思います。

2007年12月5日水曜日

◆マツダのディーラーで②

 前回、私が昨年新車を購入した際に比較検討した2社の営業のあり方をご紹介したのですが、私にとって心地のよかった方(マツダの営業)からどのような提案や気付きを得られたかについて書いていきたいと思います。

 ~以下、初回にディーラーに行き、アンケート、車種の検討、試乗の後、オプション検討時に予算オーバーしてしまったため、いらないものを検討している際のやり取り~

 とく:「バックモニターとかいらないかな。。」

 営:「まぁ変な話、駐車のときとか後ろが気になったら一回停めて直接見ればいい、って考え方も有りますよね。」

 とく:「カーナビも20万か。。」

 営:「今のお車に付けて無いのであれば、実際無くて困るシーンはそれほど無いと思います。年に何回かの遠出のときあれば便利でしょうが、費用対効果が薄いと考えるお客様は多いですね。」

 とく:「いっそETCもいらないかな?」

 営:「ETCは高速代ですぐに元を取れるので外さないほうがいいですよ。スノボーとかで遠出されるでしょうし。あ、あとこの荷台の汚れ防止のカバーはあったほうがいいですよ。板とか積むときにどうしても汚れるんで。」

 ~以上~

ポイントとして

 ・この段階で見ていたのは「定価」の見積。

 ・予算を超えてしまって、オプションを削ることを考える際、そっと「あきらめるための手伝い」をしている。(バックモニタの部分は多少苦しい気もしますが。。)

 ・ETCの件など、私が気付いていない視点を伝えてくれている。

 ・スノボーをやるなどの趣味を押さえており、提案をしている。

 上記の後、いくつかオプションを除いた見積を持ち帰ったわけですが、前回書いたとおり、この段階で値引きの話はほとんどありませんでした。ちなみに私は保険会社の紹介で行った経緯もあり、当然値引きしてもらう気満々でしたが。(これは後から聞いた話なのですが、この営業の方は「もちろん値引きをしないわけではないが、まず定価をお客様に提示しないのは失礼」という考え方なのだそうです。恐らくこの段階で見積を他のディーラーに持っていって値引き合戦になるのを避ける狙いもあるとは思いますが。)

 結果的には上記のような対応が私にとって信頼を感じさせるものであり、最終的な価格も申し分なかったために購入を決めました。ベテランの営業の方からすれば当たり前の対応かもしれませんが、結局できる営業とは当たり前のことが当たり前にできている営業なのではないかなと思います。

ちなみに古い営業は「聞く」という姿勢が足りずに一方的に商品説明をしてしまう傾向があり、若い(未熟な)営業だと売れない原因を自分以外に求めてしまう(少し話しただけで「あのお客さんだめっすよ」とか平気で言う)傾向があるのだそうです。

こうした話を聞けるような関係になったのも、この営業の方の購入後のフォローが適切だったからだと思っています。いい買い物、いい経験をさせてもらって感謝しています。

2007年11月28日水曜日

◆マツダのディーラーで①

 昨年新車を購入しました。マツダのプレマシーです。普段はあまり乗る機会がないのですが、ミニバンの割りにふらつかない安定した走りや、ちょうどよいポジションなど、結構気に入っています。

 先週末は、12ヶ月点検ということで、マツダのディーラーに行ってきました。そこで点検を待っている間、購入時に担当してくれた営業の方と話していました。この営業の方は昨年の商談時、対応が実に的確かつ信頼のおける印象で、長くお付き合いしたいと思わせてくれる方です。当時、実は別のメーカーの車種も検討しており、そちらの方が価格も安くはあったのですが、営業の対応がはっきりと違っていました。簡単にその違いを記述すると、
 
<最初の来店時>
 マツダ:まずは「皆様にご記入いただいておりますので」ということでアンケート
の記入を求めてきた。(当然アンケートには予算や現有車両の車検
時期 など核心をつく質問が入っています)
      ⇒その後試乗をし、希望するオプションをすべて挙げると予算を60万
       ほどオーバー。よくよく考えて不要なオプションを外しても、40万弱
       オーバー。その日は値引きの無い見積をいただいて帰りました。        

 某社 :最初の来店時、気になっている車種を聞かれた後はカタログにて
      延々とCVTなど、車の特徴を説明される。(興味があるから事前に
      ネット等で調べてますし、ほとんど知っていることばかりでした。)
      その後試乗を勧められ、試乗後戻って希望するオプションの話を
      しましたが、 午前中に妻と子供も一緒に行っていたこともあり、
      昼食の時間となってタイムアップ。最後にアンケートの記入を
      求められました。(最初に出してくれれば正直に書いたのに)
      ※ちなみにこのとき「私の裁量の範囲で」ということで10万値引き
        された見積をいただき、さらに帰宅後、私の外出中にナビ無しの
        見積を自宅に届けにきたようです。 

この両者の違いは簡単に言うと営業として「聞こう」としているのか「説明しよう」としているのかに尽きます。前者はお客様に合わせた提案をしようという姿勢が感じられますが、後者は商品の特徴を伝えようということに終始しています。今の時代、まったく情報を持たずに新車を買おうとする人などほとんどいないのではないでしょうか。ネットで引けば実際のユーザーの感想も見れますし、コンビニで立ち読みすれば、どの車種をどのように交渉すればいくら値引きが引き出せるかまで載ってます。知っている情報を延々と説明されるのはお客様にとって苦痛以外の何者でもありません。やはりお客様が対面の営業に期待することは、自分に合わせた提案をしてもらったり、自己流の情報収集だけでは気付かない視点に気付かせてくれることだと思います。

 具体的に私がこのとき、マツダの営業の方からどのような提案や気付きを得られたかについては、次回記述したいと思います。

2007年11月26日月曜日

◆「お客様」の定義

 「お客様の立場(視点)で」といったことを考える際、組織としてその視点に立った行動を実行に移していかなければなりません。しかしながら「お客様は神様です」ということで、何でもかんでもお客様の言いなりになっているのでは企業としての収益を上げていくための活動は立ち行かない、と考える方は多いのではないでしょうか。
 そもそも企業としてみた場合、「お客様」という言葉に対して、社員が思い浮かべる人物の顔は統一されているのでしょうか?BtoCの場合は一定の統一があるのかもしれません。BtoBの場合はどうでしょう。ビールメーカーの営業はどこを「お客様」と見ているでしょうか?自社からビールを仕入れてくれる卸店でしょうか、ビールを売ってくれる小売店でしょうか?営業が対面する人物はこれら組織に所属することが多いと思います。しかし本質的にはビールメーカの「お客様」というのはビールを買って飲む「消費者」ではないでしょうか。
 卸店も、小売店も、飲食店も、最終的にはこの本来のお客様である「消費者」を「お客様」として、ともに発展していくための「パートナー」と位置づけるしかないのではないでしょうか。
 仮にビールメーカの営業が「お客様」を小売店と見ていたらならば、そのメーカーは売り手の視点からの商品開発を続けることになります。そんな商品開発が最終消費者から受け入れられるかは疑問です。
 こういった「お客様」の定義は、顧客視点に立った行動を起こす上で、企業が最初に統一しておくべきものではないでしょうか。
 ビールメーカーのキリンは、競合(アサヒスーパードライ)の動きによって自分たちの動きを決め(コンペティタードリブン)、小売店を「お客様」とみて1ケースいくらというインセンティブによって営業する「価格営業」から真に消費者を「お客様」と位置づけ、その「お客様」が求めるものをベースに小売店、飲食店とパートナー関係を築いていく「価値営業」への転換に3年以上の期間を要したとのことです
キリンの流儀―これが「頭で考える営業」だ カネに頼るな、自分に頼れ!
キリンの流儀―これが「頭で考える営業」だ カネに頼るな、自分に頼れ!猪口 修道

プレジデント社 2007-06
売り上げランキング : 129499


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 お客様の定義を統一することで、お客様の立場に立った商品やサービスの開発、展開と企業としての収益をどう両立させていくかという課題に対して、答えに近づけるのだと思います。

2007年11月5日月曜日

◆集団浅慮

 集団浅慮という言葉があります。エリートと思われている集団が、傍から見れば「なぜそんな馬鹿なことを。。」と思われるような浅はかな思考を進め、間違った意思決定を行い、結果として物事を失敗という結果に導いてしまうような現象を指します。
 近年の企業の不祥事、殊にここ最近の食品会社の偽装事件などを見れば、集団浅慮の事例には事欠きません。この集団浅慮に陥らないようにするためには、個々人の「何かおかしい」といった直感や「別の見方もあるのではないか」といった仮説を重視し、それらの意見を出しやすくするといったことが必要になります。特に日本の会議では既に決まっていることを追認するような会議が多いように思われますが、これも集団浅慮に陥りやすい原因の一つかもしれません。
 これを防ぐために、企業としてはコンサルタントなど、外部の意見を積極的に取り入れたりするわけですが、コンサルタントの技量にも様々あったり、逆に外の耳障りな意見を受け入れるだけの度量が企業側に無かったりと、そう簡単にはいかないようです。
 ある本で紹介されていた一つのやり方としては、会議において、データや集められた情報を参加者に示す前に、議案について賛成か反対かを全員に聞いておき、ディスカッションする前にデータによって参加者の意見が一方向に偏らないようにしておくという方法もあるようです。
 ビジネスシーンににおいて、この集団浅慮の問題もまた、常に顧客の視点に立って考えているか、議論が内向きになっていないかという問いを繰り返し、訓練していく他ないのだと思います。(それにしても「思います」で締めることが多いな、このブログ。。きっと実践が足りないんですね。反省)

2007年10月29日月曜日

◆「先入れ先出し」

 学生時代にあるコンビニでアルバイトをしていたのですが、商品の陳列について「先入れ先出し」という原則を教わりました。要は消費期限などの日付が新しいものは棚の後ろに並べ、日付の古いものからお客さんに手にとってもらい、廃棄ロスが必要以上に増えないようにすることです。ドリンクの棚などは、裏から商品の補充ができるので楽なのですが、弁当や惣菜コーナーなどはそういうわけにもいかないので、一旦今並んでいる古い商品をどけてから入荷された商品を奥に並べるのが面倒だったのを覚えています。
 IYグループCEOの鈴木敏文さんによると、この「先入れ先出し」という発想自体が売り手の発想で、顧客の視点に立ててない証拠なのだそうです。確かに、私がアルバイトのときに主婦のお客さんなどが堂々と棚の後ろから商品を取っていたのを見かけると何となく面白くなかったのですが、自分が買い物客としてコンビニやスーパーに行った時には少しでも日付の新しいものを買おうとしてしまいます。
 言われてみれば確かに顧客の視点ではないことはすぐに分かるのですが、ここに自分で気がつくためには常識を疑えるセンスと、批判を恐れない姿勢が必要なのだと思います。仮に先入れ先出しを否定したとして、「廃棄ロスが増えることについてはどう考えているんだ?」といった指摘に対してどのような回答のしようがあるでしょうか。(この回答については「鈴木敏文 考える原則」
鈴木敏文 考える原則 (日経ビジネス人文庫)
鈴木敏文 考える原則 (日経ビジネス人文庫)緒方 知行

日本経済新聞社 2005-06
売り上げランキング : 81978

おすすめ平均 star
starどこまでも繊細な論理
starどこでも通じる仕事の原則
star考える原則=行動の原則

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

に詳しく語られているのでここでは割愛しますが、何れにせよ、顧客の視点に立つということは非常に重要である反面、それほどに難しいと知る必要があるのだと思います。

2007年10月22日月曜日

◆「後工程はお客様・・・」

 私は大学を出て新卒である自動車メーカーに勤めていました。入社後3ヶ月ほどは工場の組み立てラインに入って現場研修を受けたのですが、そのときに「後工程はお客様」ということを現場の組長さんから教わりました。後工程をお客様と思って、部品や製品を丁寧に取り扱い、かつ自分の工程の作業の品質について責任を持って行いなさいということでした。これは間違いなくラインの作業員に求められる心構えだと思います。でもこの「後工程はお客様」という表現自体には違和感を覚えます。やはり工場のラインの作業員にとっても、お客様と言う存在はあくまで自分たちが最終的に価値を提供している相手(ユーザー)であることに変わりは無いのではないでしょうか。例えば、私はブレーキホースを取り付けていたのですが、その取り付け方がまずくて困るのは、不良を見つけて修理させられる後工程ではなく、間違いない無くその車を購入して運転するユーザーです。(ブレーキホースなどは不具合が出ればユーザーの命に関わる重大な問題です)
 自動車の例はわかり易いため、こうした顧客の視点に立つということは当たり前に思えますが、自分たちの日々の仕事に置き換えて考えてみると、以外に顧客の視点は無視して売り手の視点で物事を考えていることが多いということに気付かされます。これを打ち破っていくことは、自分たちのやっていることを否定するということであり、それは決して簡単な話ではないと思います。日常の中での気付きを少しずつこのブログにも書いていきたいと思います。

2007年10月11日木曜日

◆読書の秋 

読書の秋ということで色々本を読んでいます。わたしは基本的には歴史小説などが好きなのですが、よく仕事で行き詰るとつい「○○の方法」とか「○○のしかたがわかる本」とか「できる社員は○○している」的な本に手が伸びてしまいます。学生時分就職活動のころは「面接マニュアル」みたいな本を頭から馬鹿にして読もうとしなかったのに、今こうしてノウハウ本みたいな本を読むのは、ある意味社会に出て現実を知り、素直になったということだと思います。社会人として、プロとして当たり前の振る舞いということが自分にできているのか?といった自己反省の気持ちで読んでいるので、それ自体は悪くは無いと思うのですが、読書の姿勢としては、「答えを求めて」読むといった姿勢から卒業しなくてはいけないかなと思います。
 一つには批判的に読むという姿勢があるでしょう。本を読んでその内容をただ受け入れるのではなく、自分の価値観や判断基準に沿って賛同できるか、反対ならば対案としてどうするか、といったことを考えながら読み進むやり方です。もう一つには本に書いてある内容で賛同できる事柄について、チャンスを見つけては”実践してみる”というやり方もあると思います。後者のスタイルの方が自分の性に合っていると思っているのですが、私はあまり要領が良くないということもあり、実践してみようとする中で、もっとよく考えればしなくてもいいはずの苦労を経験しているかも知れません。何れにしても、読書から単に知識を得るに留まらず、知的な刺激を得続けたいと思います。

2007年10月2日火曜日

◆問題解決するためのコツ?

「問題解決の手法の知識」という本を読んでいます。
問題解決手法の知識 (日経文庫)問題解決手法の知識 (日経文庫)
高橋 誠

日本経済新聞社 1999-01
売り上げランキング : 121125

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

出張先の本屋で手にとって、単純に知識として問題解決手法にはどのようなものがあり、それぞれどのような内容であるのかということを知っておくために文庫を購入したのですが、前段の導入部分も発散思考や収束思考といった考え方についてよく整理されていて、結構読めます。その中で(本書の全体のテーマは組織としての問題解決手法となっているのですが)個人としての問題解決にあたるステップが話題として出てきます。①準備(熟考)、②あたため、③ヒラメキ、④検証というステップなのですが、この③の「ヒラメキ」のためには②の「あたため」というステップがポイントなのだそうです。熟考して問題意識として強烈に脳裏に焼き付けた後、寝かせているうちに、脳の奥にある一見関係ない情報や、ふと目にした情報と結びつき、パッとヒラメク瞬間がある。これはなるほど確かに、と納得しました。以前流行ったプロジェクトXの中でも、壁にぶつかった各回の登場人物たちがある日ふと、ヒラメク瞬間にめぐり合うポイントが必ずといっていいほどありました。
この準備(熟考)し、あたためるという話は、問題を解決するにあたって、一つには絶対にあきらめない、粘り強さを持つということ、もう一つは解決策を思いつきで実行に移すのではなく、熟考することで失敗するリスクを減らせるということだと思います。日々起こる問題について、常にこの粘り強さを持ち続ける、ということができているか。自分を振り、反省しつつ、まずは解決すべき問題を認識したら「書く」ということから心がけていきたいと思います。 このブログもそのひとつですね。

2007年9月21日金曜日

◆娘の3歳の誕生日に思うこと

 昨日9月20日は長女の3歳の誕生日です。娘は生まれつき耳がほとんど聞こえません。最近では子供が生まれたときに病院で新生児スクリーニング検査というのをやっており、その検査でリファー(要再検査)といわれ、後に帝京大学病院できちんと調べもらったところ、両耳が高度難聴ということでした。初めて授かった子供がいわゆる障害者であったということを知ったときの若い夫婦のショックはなかなか言葉では表現できないのですが、私も妻もすぐに現実を受け止め、行動を開始したように思います。やはり最初は情報収集というか、知ろうとすることから始めました。再検査を受ける病院はどこにするか、といった直近の問題や、難聴ってどういうこと?ということ。中でもとても参考になり、勇気をいただいた本が早瀬久美さんの「こころの耳 伝えたい。だからあきらめない。」でした。
こころの耳 伝えたい。だからあきらめない。
こころの耳 伝えたい。だからあきらめない。早瀬 久美

おすすめ平均
stars手話だけじゃない温かい気持ちが得れます。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

欠格条項の壁を乗り越え、日本で始めて聴覚障害者の薬剤師となられた方の手記です。今思えば、この本をきっかけに帝京大学付属病院でのホームトレーニングや大塚ろう学校といった今お世話になっている施設を知り、だんだんと世界が広がっていったように思います。生まれつき聴覚障害を持つ子供は、言葉を覚える2,3歳の時期に、いかに言語を獲得して、人とのコミュニケーションができるようになるかということが大事ですが、今ではとても表情豊かに、覚えた手話でその日の出来事などを伝えてくれます。週末には娘が私たち両親に絵本を読み聞かせまでしてくれます。ここまで多くの人に支えられてきたのですが、最大の感謝と敬意はこの3年間1日も休まず娘と密着し、コミュニケーションを教えてきた妻にささげたいと思います。 ちなみに昨日は育児休暇を経て、3年ぶりに妻が職場に復帰した日でもあります。二つのおめでたいことが重なった日に、私も負けずに努力と精進を重ねなければと気持ちを新たにしました。

2007年9月18日火曜日

◆航空会社の整備員

 ご存知の方も多いと思うのですが、飛行機に乗って滑走路に進みだすとき、ターミナル側の窓から外を見ると、航空会社の整備の方々が出発する飛行機に向かって大きく手を振っているのを見ることができます。私は初めてこの光景を見たとき、少なからず感動しました。というのも、離陸直前、多くの乗客は雑誌を見たり音楽を聴いたりで、整備の方を気にする人はほとんどいません。それにも関わらず、整備の方々が一心に乗客の安全を祈りながら手を振ってくれているように感じたのです。また、最近気づいたのですが、飛行機が着陸してターミナルの搭乗口に到着したときも、整備の方が深々と乗客に向かって一斉にお辞儀をしています。

整備というと、どちらかというと飛行機の機体や部品などの機械と向き合って仕事をしていると思ってしまいますが、実は彼らはしっかりとお客様と向き合って仕事をしているのだと感じる振る舞いです。先日あるセミナーで全日空の機体整備本部の方と名刺を交換する機会があったのですが、その際この話題を振ったところ、現場の整備の方が毎回ちゃんと手を振っているか常に気にしているのだということをお話されていました。 私は福岡の出身なので、毎年お盆と正月の里帰りで最低2往復は飛行機に乗るのですが、空港スタッフのきびきびした動きや、キャビンアテンダントの丁寧な対応など、お客様の目に触れるスタッフはもちろんのこと、普段は表に見えない整備スタッフまでがお客様のことを考え、それが行動に現れているということに乗客として満足し、安心して飛行機を利用しています。顧客ロイヤリティーとはこうしたことの積み重ねなのだと思います。

2007年9月11日火曜日

◆43億人のご先祖様?

 先日読んだ週間ASCIで面白い記事を見つけました。ある教授が毎年新入生にする質問、「あなたのご両親は何人いますか?」当然学生は怪訝な顔をしながら「2人」と答えるわけですが、「ではそのご両親にご両親は全部で何人いますか?」「そのさらに上のご両親は?」・・・と聞いていくそうです。当然人間は2人の男女がいないと絶対に生まれることはできないので、両親の数は世代をさかのぼるごとに2の2乗ずつ増えていくわけで、仮に25年に1世代として、100年は4世代、2の4乗で16人の両親がいる計算になります。どんどんさかのぼっていくと。。。何と800年前、鎌倉時代には43億人近くのご先祖様がいるという計算になってしまいます。どう考えても多すぎですよね。当然重なりを考えていないためにこうなるわけですが、実際に従兄妹やまた従兄妹どうしで結婚している例などは意外とあるようです。実際のところ、鎌倉時代の日本の人口は700~800万人と言われていますので、43億人と比較すると大きな開きがあります。ちょっとどういう計算をすればよいのかわからないのですが、今自分の目の前にいる人と遠い親戚である確率はすごく高いのではないでしょうか。記事にもあったのですが、そう思うと隣の人を見る目が変わる気がします。ところでこの確率の計算方法、数学が得意な方どなたかチャレンジしてみませんか?

2007年8月30日木曜日

◆スタ丼とHDJ

 品川駅の高輪口を出て左にしばらく進むと、どんぶりの品達の中にスタ丼屋があります。5件あるお店のうち、昨年の5月の開業以来、恐らく一番人気なのがこのスタ丼屋です。私もちょくちょく通っているのですが、豚肉とにんにく醤油のシンプルな丼ですが、普通の人にはちょっと厳しいくらいのボリュームと、癖になるにんにくの香りで若い人を中心に人気です。
 このスタ丼ですが、本店は府中にあるそうで、武蔵野・多摩地区を中心に展開しています。私は学生時代国立に住んでいたので、国立西店、国立東店でしばしばスタ丼を食べていました。ですので、品達に会社の人を誘っていくときも、「本当は550円なんだよ」(品達では600円)とか「味噌汁が付くんだけどね」(品達では付かない)などとウンチクをたれてしまいます。で、一人で食べに行ったときに気づいたのですが、私のようにウンチクを話ながら食べている人が結構いるんですね。恐らく私と同じく学生時代によくスタ丼を食べていた方なのだと思います。スタ丼の店の多くが学生街にあり、品川に出店ということを聞いたときには少し場違いなのでは?と思ったのですが、実際には品川近辺の会社に勤めている人々が学生時代同様、エネルギーを補充するためにスタ丼を食べに行っている気がします。(帰りの電車内での口臭が気になるところですが)
 私にとって想夫恋は故郷を思い出す味、スタ丼は学生時代を思い出す味です。恐らくそれぞれの店のファンは焼きそばやスタ丼を食べるときに思い起こす時代や思い出があると思うのですが、こうしたお客様のエモーションに訴えかけるということをブランド作りの戦略として徹底的に実践している企業がハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)だそうです。かなり前になるのですが、奥井俊史社長のセミナーを聞く機会があった際、HDJが開催している様々なイベントには、オーナーのみならず、オーナーの家族(子供)にハーレーにかかわる楽しい思い出を作ってもらうことを狙いとしているというお話を伺いました。その子供が大人になってまた「父が乗っていたハーレー」のオーナーになるのだそうです。イベント自体は直接的には収益につながっていないだろうと考えると、この取り組みはなかなかできることではないと感じたのですが、奥井社長はこのことについて、「平凡なことを非凡に繰り返す」とおっしゃっておられました。私が尊敬する経営者の一人です。

2007年8月22日水曜日

◆想夫恋の焼きそば 

 福岡出身の私は年に2回は帰郷するのですが、毎回どうしても食べずにはいられないものの一つに想夫恋の焼きそばがあります。 秘伝のソースにあえて焦げ目をつけた生麺の歯ごたえが最高の相性で、焼きそばで50年やってきた重みを感じる味わいです。
 この想夫恋の焼きそば、おいしいことは間違いないのですが、焼きそば1パイ840円、大盛は1000円強と結構なお値段です。焼きそばと聞いて夜店の焼きそばやインスタントのUFOなどをイメージすると考えられないですね。いくら美味いからといって、なぜこんな高い焼きそばが長年人気を保っているのでしょうか。ひとつには地域に根ざした地道な店舗運営にその秘訣があると思います。想夫恋の多くの店が家族経営で、九州でも田舎の方にあり、地元の家族連れのお客さんが多いようです。私がよく行く店では店主や奥さんが家族連れのお客さんに明るく話しかけ、とても穏やかで懐かしいような雰囲気を作っています。(焼きそばを焼くにおい、落ち着いた座敷のテーブル席、テレビの甲子園中継・・・)こうした空間であの美味しい焼きそばを家族で楽しく味わった子供が大きくなって、今度は自分の子供を連れてまたあの焼きそばを食べに来ます。私のように。逆に都会近くの住宅街などにある店ではこういった雰囲気はなく、そういった店はやはりお昼時のお客さんも少なく、苦戦しているように見えます。私が想夫恋に行く度に感じる「郷愁」のような感情をいかに多くのお客さまに感じていていただくか、その仕掛け作りが長年愛される商品の秘訣なのだと思います。
次回は同じテーマで別のお店について書いてみたいと思います。

2007年8月15日水曜日

◆最初の一歩

今日はお盆中ということもあって、比較的時間があったので会社の人に教えてもらいながらigoogleにコンテンツを追加するということをやってみました。

これまで「RSSって何?」って感じだったのですが、ちょっと試してみると「すごい!」の連発です。
これまでも自分はアンテナは高いつもりだったのですが、たまにGoogleで気になるキーワードを検索していたのが恥ずかしくなるほど自分の欲しい情報を得るのが簡単になります。

Googleにアカウント自体は随分前に作っていたのですが、どう使うのか分からず、あまり必要性も感じることができずにこれまできてしまってました。
30代の私はWebは必要なときに情報を検索するものだという固定概念ができてしまってたんですね。
こうした固定概念を打ち破って最初の一歩を踏み出すのは何気に勇気がいるものだなぁと感じたのですが、そこでふと思い出したことが。

もう8年くらい前になると思いますが、母の誕生日にDocomoのポケットボードをプレゼントしました。
まだ携帯のメールは(特に中高年には)普及してなかった頃の話です。当時私は浜松に住んでいたので、福岡に一人暮らしをしている母はとても喜んでくれて、小さなキーボードにローマ字入力で長い文章を打ち込んでメールをくれたものです。母は当時50歳。今は58歳になるのですが、今ではキーボードのローマ字入力が結構速いんです。(ずっと主婦をやってきたのに!)

こんな母はとても素敵だなぁと改めて思いつつ、振り返ってWeb2.0的なものに、ちょっとしたアレルギーを持ってしまっていた自分はカッコ悪いなぁと。。 最初の一歩を踏み出そうとするのは億劫だったり不安だったりしますが、この一歩を踏み出した人だけが新しい何かを得られるのだと思います。
それでというわけでもないのですが、とりあえずはブログでも書いてみようかと。
特にテーマは設けずに、日々感じたことや思ったことを書いていきたいと思います。