2007年8月30日木曜日

◆スタ丼とHDJ

 品川駅の高輪口を出て左にしばらく進むと、どんぶりの品達の中にスタ丼屋があります。5件あるお店のうち、昨年の5月の開業以来、恐らく一番人気なのがこのスタ丼屋です。私もちょくちょく通っているのですが、豚肉とにんにく醤油のシンプルな丼ですが、普通の人にはちょっと厳しいくらいのボリュームと、癖になるにんにくの香りで若い人を中心に人気です。
 このスタ丼ですが、本店は府中にあるそうで、武蔵野・多摩地区を中心に展開しています。私は学生時代国立に住んでいたので、国立西店、国立東店でしばしばスタ丼を食べていました。ですので、品達に会社の人を誘っていくときも、「本当は550円なんだよ」(品達では600円)とか「味噌汁が付くんだけどね」(品達では付かない)などとウンチクをたれてしまいます。で、一人で食べに行ったときに気づいたのですが、私のようにウンチクを話ながら食べている人が結構いるんですね。恐らく私と同じく学生時代によくスタ丼を食べていた方なのだと思います。スタ丼の店の多くが学生街にあり、品川に出店ということを聞いたときには少し場違いなのでは?と思ったのですが、実際には品川近辺の会社に勤めている人々が学生時代同様、エネルギーを補充するためにスタ丼を食べに行っている気がします。(帰りの電車内での口臭が気になるところですが)
 私にとって想夫恋は故郷を思い出す味、スタ丼は学生時代を思い出す味です。恐らくそれぞれの店のファンは焼きそばやスタ丼を食べるときに思い起こす時代や思い出があると思うのですが、こうしたお客様のエモーションに訴えかけるということをブランド作りの戦略として徹底的に実践している企業がハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)だそうです。かなり前になるのですが、奥井俊史社長のセミナーを聞く機会があった際、HDJが開催している様々なイベントには、オーナーのみならず、オーナーの家族(子供)にハーレーにかかわる楽しい思い出を作ってもらうことを狙いとしているというお話を伺いました。その子供が大人になってまた「父が乗っていたハーレー」のオーナーになるのだそうです。イベント自体は直接的には収益につながっていないだろうと考えると、この取り組みはなかなかできることではないと感じたのですが、奥井社長はこのことについて、「平凡なことを非凡に繰り返す」とおっしゃっておられました。私が尊敬する経営者の一人です。

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