私は大学を出て新卒である自動車メーカーに勤めていました。入社後3ヶ月ほどは工場の組み立てラインに入って現場研修を受けたのですが、そのときに「後工程はお客様」ということを現場の組長さんから教わりました。後工程をお客様と思って、部品や製品を丁寧に取り扱い、かつ自分の工程の作業の品質について責任を持って行いなさいということでした。これは間違いなくラインの作業員に求められる心構えだと思います。でもこの「後工程はお客様」という表現自体には違和感を覚えます。やはり工場のラインの作業員にとっても、お客様と言う存在はあくまで自分たちが最終的に価値を提供している相手(ユーザー)であることに変わりは無いのではないでしょうか。例えば、私はブレーキホースを取り付けていたのですが、その取り付け方がまずくて困るのは、不良を見つけて修理させられる後工程ではなく、間違いない無くその車を購入して運転するユーザーです。(ブレーキホースなどは不具合が出ればユーザーの命に関わる重大な問題です)
自動車の例はわかり易いため、こうした顧客の視点に立つということは当たり前に思えますが、自分たちの日々の仕事に置き換えて考えてみると、以外に顧客の視点は無視して売り手の視点で物事を考えていることが多いということに気付かされます。これを打ち破っていくことは、自分たちのやっていることを否定するということであり、それは決して簡単な話ではないと思います。日常の中での気付きを少しずつこのブログにも書いていきたいと思います。

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