集団浅慮という言葉があります。エリートと思われている集団が、傍から見れば「なぜそんな馬鹿なことを。。」と思われるような浅はかな思考を進め、間違った意思決定を行い、結果として物事を失敗という結果に導いてしまうような現象を指します。
近年の企業の不祥事、殊にここ最近の食品会社の偽装事件などを見れば、集団浅慮の事例には事欠きません。この集団浅慮に陥らないようにするためには、個々人の「何かおかしい」といった直感や「別の見方もあるのではないか」といった仮説を重視し、それらの意見を出しやすくするといったことが必要になります。特に日本の会議では既に決まっていることを追認するような会議が多いように思われますが、これも集団浅慮に陥りやすい原因の一つかもしれません。
これを防ぐために、企業としてはコンサルタントなど、外部の意見を積極的に取り入れたりするわけですが、コンサルタントの技量にも様々あったり、逆に外の耳障りな意見を受け入れるだけの度量が企業側に無かったりと、そう簡単にはいかないようです。
ある本で紹介されていた一つのやり方としては、会議において、データや集められた情報を参加者に示す前に、議案について賛成か反対かを全員に聞いておき、ディスカッションする前にデータによって参加者の意見が一方向に偏らないようにしておくという方法もあるようです。
ビジネスシーンににおいて、この集団浅慮の問題もまた、常に顧客の視点に立って考えているか、議論が内向きになっていないかという問いを繰り返し、訓練していく他ないのだと思います。(それにしても「思います」で締めることが多いな、このブログ。。きっと実践が足りないんですね。反省)

2 件のコメント:
最近WEBで言われている考え方に「Wisdom of Crowds」というのがよく引き合いに出されます。
引用例1
引用例2
ただ会社の全員で経営方針とか決めても難しいでしょうね。
①判断に必要な情報がいきわたっていない(=勉強不足)
②戦略はベクトルがばらばらなので個々人の決定を集約して平均をとるような仕組みが作りにくい。
でもある程度3択ぐらいに、ディスカッションでまとめて、そこから各部署の代表が投票とかしたら案外まともな選択になったりして。
kosaさん
コメントありがとうございます。(初コメントですね。)
確かにWebによって個人が得られる知識が飛躍的に増え、そこからどう思考するのかという点に関してもbrogなどを通じ、世界中の多様な価値観に触れる機会が桁違いに増えているというのは私自身も実感しているところです。それはそれで事象として捉えた上で、組織としてどのように思考し、意思決定をしていくか、というテーマについては、組織論、会社経営においては経営学的な基盤が必要になるのでは?とも感じています。(もちろん、Webなどの世界も知っておいた方がよいとも思います。)
その辺を考えていくと、(この間の議論をめちゃくちゃ端折りますが)結局は組織が目的を達するためにはやはり「優秀なリーダーが必要」という話に行き着いてしまう気がして、ではそうじゃない組織の人間はどうする?とか、自分自身はどうする?といった問いの中で答えを探しているという人は多いのではないでしょうか。
取り留めのないコメントになってしまいましたが、感想としてはやはり組織の意思決定はそのリーダーが下すしかなく、そのリーダーには「顧客視点での思考」や「常識を疑う力≒多様な考え方を受け入れる器量」、「戦略思考」や「論理性」など、多くのものが求められるなぁということで。次の私の読書のテーマだったりします。
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