ご存知の方も多いと思うのですが、飛行機に乗って滑走路に進みだすとき、ターミナル側の窓から外を見ると、航空会社の整備の方々が出発する飛行機に向かって大きく手を振っているのを見ることができます。私は初めてこの光景を見たとき、少なからず感動しました。というのも、離陸直前、多くの乗客は雑誌を見たり音楽を聴いたりで、整備の方を気にする人はほとんどいません。それにも関わらず、整備の方々が一心に乗客の安全を祈りながら手を振ってくれているように感じたのです。また、最近気づいたのですが、飛行機が着陸してターミナルの搭乗口に到着したときも、整備の方が深々と乗客に向かって一斉にお辞儀をしています。
整備というと、どちらかというと飛行機の機体や部品などの機械と向き合って仕事をしていると思ってしまいますが、実は彼らはしっかりとお客様と向き合って仕事をしているのだと感じる振る舞いです。先日あるセミナーで全日空の機体整備本部の方と名刺を交換する機会があったのですが、その際この話題を振ったところ、現場の整備の方が毎回ちゃんと手を振っているか常に気にしているのだということをお話されていました。 私は福岡の出身なので、毎年お盆と正月の里帰りで最低2往復は飛行機に乗るのですが、空港スタッフのきびきびした動きや、キャビンアテンダントの丁寧な対応など、お客様の目に触れるスタッフはもちろんのこと、普段は表に見えない整備スタッフまでがお客様のことを考え、それが行動に現れているということに乗客として満足し、安心して飛行機を利用しています。顧客ロイヤリティーとはこうしたことの積み重ねなのだと思います。

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