2009年3月25日水曜日

◆皆勤賞

 昨日は娘の終業式でした。この1年間、怪我も病気もなく、1日も休まずに学校(と言っても幼稚部ですが)に通うことができました。義務教育ですら「平日学校休んでTDL」なんて話が騒がれるご時勢の中で、多少親バカですが娘を誇らしく思います。もちろん妻にも感謝・感謝です。昨日はご褒美に絵本をプレゼントしました。お気に入りの「バムとケロ」シリーズだったので娘も喜んでくれました。
 
 さて、今朝の妻との会話で、学校の先生からは皆勤賞について「何もなかった(怒)」ということだったのですが、確かに皆勤賞というのは担任の先生の裁量で表彰する学級もあれば、何もない学級もあるという感じだったように思います。継続することの大切さを伝えるのには良い方法だと思うのですが、「なんかやる気無くした」ぼやく妻にも、気持はよく分かりますがそれもちょっと違うだろうという感じも。

 「継続は力なり」ですが、なぜ人は継続することができるのか考えると、必ずしも何かしらの「見返り」があるからというわけではないと思います。資格や何かしらの目標を達成するために努力を継続するというのもある種見返りを求めてではありますが、単純に「好き」とか「楽しい」ということのほうが継続する上でより大きな要素かなぁと。そういう意味では最近更新の少ない私のブログやなかなか進まない読書(未読の課題図書が大量にあり・・・)も続けることより楽しむことが大事だなぁと改めて思った次第です。言い訳みたいですが。。
 
 
 
 

2009年2月16日月曜日

◆課題設定

 リーダーが課題解決にあたって、その課題の本質をとらえるための様々な手法が書店でも、ネットの各論文等でもよく取り上げられます。問題解決ともいわれますが、これが今結構ブームです。本質的にはどんな手法であっても、訓練を積み重ねるしかないということろは同じでしょうが、課題を解決するにあたっての「課題」をそもそもどうとらえるかという点は常に留意しておく必要があると思います。よく、「現象」を課題と捉えて対策を講じ、別の問題を引き起こしてしまうということが起こります。分かりやすい例でいえば、社内で営業が机で仕事をしており、外出が少ないという現象を課題と捉え、改善のために営業の外出件数をカウントし、それをKPIとして評価に反映するといったことでしょうか。結果として、営業が外出中に喫茶店で潰す時間が増え、肝心の業績には大して影響を与えないといったことが容易に想像できます。課題をどう適切に設定するのかが、課題解決する上でリーダーに求められることなのだと思います。
 私自身の例では、(えらい昔の話ですが、苦い思い出として。。)小学校6年の時に生徒会みたいな組織にいたことがあるのですが、休み時間の運動場を上級生が独占しているという苦情があり、これの対応を求められたことがありました。この問題、別にそのときの起きた話はなく、ずっとある問題でその度運動場を学年別にわけたりする対応がとられてましたが、結局うやむやになるばかりです。で、当時の私たちが何をしたかというと、運動場の区分けがわかるようにラインカーで境界を引いて、学年の数字を書くなんてことをやってました。議論の出発点が「現象」で、現象に対する手当としての「手段」の実現方法や徹底するためになどという発想しかないわけですから、当然課題の解決になんかなりません。この時に「どうすれば上級生の独占」という現象がなくなるか、といった発想ではなく、「全校生徒が、休み時間を楽しく過ごせるためには?」といった課題を設定できていれば、もっと発想も広がっていたのかもしれません。
 何かの問題について、議論を行う際に、あえて数段高い視点から課題設定することで、視野狭窄にならずに議論ができ、それにより必要な情報も明確になってきます。目の前の課題から視点を広げることで、余計な情報も増えると思いがちですが、それは逆で、誰もが納得できるゴールを課題として設定することで、それを実現するために必要な情報が絞られてくるのだと思います。課題解決にあたっては、関係者で本当は何を実現したいのか、ということを最初に明確にすることが肝要なのだと思います。

2009年2月4日水曜日

◆保険会社から3通の郵便

 加入している生命保険会社から3通の封筒が届いたのですが、中身は「保険金・給付金を受け取るためのガイドブック」ということで全部同じです。損保も生保も、基本的に「契約」を軸とし、証券番号を単位としてデータベースを作っているためにこうしたことが発生するのだと思います。
 保険の素人の顧客が保険会社から心当たりのない郵便をいきなり3通も受け取るとなんだか少し不安になります。全部同じに見えるけど実は違ってて、大事な情報を見逃していたらどうしようとか。

 最近よく国内大手生保企業が年に1度顧客を訪問して契約内容を確認しますというCMをやっています。まぁあれ自体も、外資や後発組の国内生保に契約を取られないようにするという目的が大きいのでしょうが、顧客にしてみればいわゆるライフイベント(結婚とか出産とか)によって保険のニーズは絶えず変化しますし、自分で自分が契約している保険の契約内容とそれに対して今の状況に即しているもの、足りないもの全て把握するのはなかなか難しいものがありますので、信頼できる担当者に年に1度でも来てもらえるのはありがたいものです。

 何が言いたいのかというと、営業のサポート部門やバックオフィスの組織は業務効率を上げることを求められると思いますが、常に顧客の視点に立ってそれを行わなければいけないということです。保険でも他の営業でも同じですが、基本的に現場の顧客接点は常に「顧客視点」です。そうでないとお客さまからの信頼は得られません。当たり前ですが。しかし、今回の郵便などは、担当の営業のあずかり知らぬところからシステムを利用して送られます。効率的ではありますが、そこには「顧客視点」は非常に薄く、「名寄せ?無理っす。大変だし、費用かかるし」というところでしょう。でもこれってやろうと思えばそれほど難しくはないと思います。ただ、日々忙しくしている現場の人たちが自分たちで考えを変えるのは難しいですよね。。。バックオフィスを担当しているマネージャーにはこのあたりの意識を変える役割が求められてくるのだと思います。

2009年1月27日火曜日

◆顧客はサービスを買っている

顧客はサービスを買っている―顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント顧客はサービスを買っている―顧客満足向上の鍵を握る事前期待のマネジメント
諏訪良武 著
北城恪太郎 監修

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諏訪さんの著書が1月に発売されました。諏訪さんが研究されているサービスサイエンスについて、現時点での集大成としてまとめられており、企業がサービスで差別化しようと考えたり、サービスそのものを収益としていきたいと考えたり、あるいはすでに先進国ではの経済のの70%を占める、サービス産業がそのサービスの価値を高めていくための努力の在り方について、大いにヒントを与えてくれる内容になっています。外装が地味なので?!私の近所の本屋においてなかったのですが、きっとこの本は時代を超えて長く教科書として扱われることになると思います。

 内容については是非皆様にも購読していただきたいと思いますが、私なりの感想を残しておきたいと思います。この本の最後の部分は、諏訪さんがオムロンフィールドエンジニアリングで非常に困難な改革を行い、素晴らしい成果をあげた事例が紹介されています。このくだりだけでも感動的ではあるのですが、ただ事例としてしまうと、これを他のサービス産業に応用することは難しくなる、そもそもそれは諏訪さんがサービスについて研究を始めた当初、様々な本を読んで感じた疑問です。単に成功体験を広めるだけではなく、それを応用できるように学術的に分析して、一歩引いた視点で普遍的な法則のようなものを模索し、展開していることがこの本の価値の高い部分だと思います。私は今専門商社でコンサルの仕事をしていますが、商社でも自らを流通業ではなく、顧客の期待値に沿って柔軟で最適な調達を提供するサービス業であるととらえると、新たな道が開けてくるのではないかという気もしています。
 ただ、「改革」を断行するということになると、成功のための法則や理論を知っているということでは間違いなく不十分です。例えばOFEの改革の事例では、この本の中では触れられていませんが、諏訪さんは事業部長に就任した時からずっと全社員に向けてメールで手紙を毎週欠かさず展開しています。 その内容についてはこのブログでも以前少し紹介しました。 まったく関係のない私が後からこの手紙を読んで感動したわけで、当時OFEの改革を実行する現場の社員はどれだけこの手紙からトップの情熱を肌で感じ、それを自分たちの力としていったのかが想像できます。また、その期待に応え続けた諏訪さんに私は素直に尊敬の念を抱きます。
 この本が単なる成功体験の披瀝ではない分、こうした改革者の人格に帰する部分についての話は全く出てきません。おそらく諏訪さんの性格からして自慢と取られかねないこうした要素を少しでもにおわせるのを嫌ったのだと思いますが、やっぱり押さえておかなければいけないと思い、代わりに書いてみました。(トップの人格とか当たり前過ぎて触れてないだけかも知れませんが・・・)

2009年1月5日月曜日

◆明けましておめでとうございます

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
多くの方がそうでしょうが私も今日が仕事始めです。2009年はこれまで以上に成長できる年にしたいと思います。特に今年は「違和感」を大事にしていきたいと考えています。日常の生活の中で感じた小さな違和感を掘り下げ、深く考える習慣を付け、思考の訓練を重ねていくためです。

 世の中で起きていることの表面的な部分しか捉えきれなかったり、人の意見を鵜呑みにしてしまっているようでは豊かな人生を過ごすことは難しいと思います。しかし物事の本質的な事柄をとらえることは簡単なことではありません。常に思考の訓練を重ねることが必要だと思います。ただ、日常を何気なく過ごしていると、さほど深く考えることをしなくても日々の生活は流れていきます。ぼーっと考え事をしているということと、思考の訓練を積むということは全く違います。ビジネスの世界においては、ビジネススクールなどにおいて経済的な事象を掘り下げて考えるということもやるのでしょうが、経済的にも時間的にもビジネススクールに通う余裕はないので、日常生活の中で感じる「違和感」を見落とさないようにすることと、なぜ違和感を感じるのかを自分なりに掘り下げることを習慣づけようと思うのです。
例えば私自身、結構自己啓発本的な本を読むことが多いのですが、なぜ巷にはこの手の自己啓発的な本があふれているのか、とか。(新聞の広告欄とかこの手の本ばっかりのような気もします)

何れにしても、ここに書いている文章からも読んでくれている方に成長を感じていただけるようにしたいと思います。

2008年11月27日木曜日

◆たまには書評らしきものも

ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!
岸良 裕司 三本木 亮

ダイヤモンド社 2008-11-08
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久しぶりに読んで元気が出る本に出会えたので、残しておきます。ゴールドラット博士の「ザ・ゴール」シリーズの最新版で、岸良 裕司さんが監訳をされてます。以前に読んだ「ザ・ゴール」シリーズや、岸良さんの「全体最適の問題解決入門」
全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう!全体最適の問題解決入門―「木を見て森も見る」思考プロセスを身につけよう!
岸良 裕司

ダイヤモンド社 2008-08-01
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と合わせ読むことで、全体最適とそこに至るための明晰な思考に近づけたような気がします。

特に私にとって大きな発見だっのは、思考の訓練をしようとする際によく自分が「トートロジー」(ここでの意味は辞書で「アイデンティティー」を調べたら「自己同一性」とあったので「自己同一性」を調べたら「アイデンティティー」とあってはまってしまう!イメージ)に陥ってしまっていたことを自覚でき、またそこから抜け出す思考の進め方を知り得たことですね。今後思考の訓練を積んで行くにあたってこれは重要なことだと思います。「ものごとはそもそもシンプルである」ということとあわせて勇気をいただきました。  

別の目線での感想としては、今回小売業における全体最適の事例が多数紹介されてありましたが、基本的には「ザ・ゴール」にあった生産現場の劇的な生産性向上から連なるソリューションと理解しました。そして、舞台としてもBRICsと呼ばれる新興市場での劇的な成果となっている点が、モノを作ってもなかなか売れない日本などの成熟市場の読者には、もしかすると多少の抵抗感を持って読まれるかもしれないという感じを受けました。(もちろん、事例がこの本の本質ではないのですが。。。)

ふと感じたのが、日本などにおいては、製造現場の劇的な生産性向上をベースにしたソリューションに加えて、私のお師匠さんが探究している「サービスサイエンス」 をもとにした全体最適の取組が素晴らしい成果を生み出すのではないかということです。先進国ではサービス産業の割合が高く、消費者は「One To One」や「自分に最適なもの」を「いつでもどこでも好きな時に」求めます。こうした状況の中で、サービスサイエンスに基づく改善活動と劇的な生産性向上(24時間365日のコールセンター、保守サービスやセコムのホームセキュリティなどが事例としてはあてはまるでしょうか)によって革新的なサービス品質の向上がのぞまれますが、これとTOCの考え方に親和性があるのではないかと。 今後掘り下げたいテーマです。

2008年11月25日火曜日

◆朝の絵本

 朝でかける準備をしていると、妻がおもむろに「○○さん(幼稚園で同じクラスの家)のところは朝子供に本を読んであげてからでないと会社に行けない」ということを言い出しました。最初は意図がわからなかったのですが、渋々そのつもりになって待っていると、妻はだらだらと朝ごはんを食べている子供に「朝ご飯食べて幼稚園に行く準備が終わったらパパが絵本を読んでくれるよ」と伝えてます。すると子供はあわててご飯を食べ終えると、さっさと洋服を着替えて、持って行く者も全部あっという間に準備して、私のところに絵本を持ってきました。これには納得。。。

 小さい子供は朝の準備にモタモタするものですし、朝は親も(特に母親は。。)忙しいのでついつい「早く食べなさい!」とか「さっさと準備しなさい!」などと声を荒げがちです。あんまり怒っていると、しまいには子供もグズリだしたりしてますます遅くなり、あまりいいことがありません。
 
 この方法なら子供は喜んで早く準備しますし、平日はあまり接点を持てない父親とのコミュニケーションにもなります。

 正直言えば面倒くさくはあるのですが、こんな素敵な解決策なら協力せざるを得ないですね。