トヨタ自動車が現場のQC活動を業務と認定し、残業代を全額支払うことを決めました。
トヨタ、「カイゼン」に残業代 業務と認定、来月から
成果主義に立って働く人たちからすれば、現場の社員が会社から命令されてもいない、生産性向上のための活動を自ら考え、実行するということは、考えられないことかもしれません。こうしたQCのような現場の自主的な改善活動は日本の製造業の強みとされてきました。しかし昨年12月にトヨタの従業員の急死が過労死であり、QC活動も業務と認める判決が出たことで見直しの動きになったのだと思います。私も1従業員として考えると、QC活動に実質強制参加でほとんど無報酬となるとどこまで前向きに参加できるか疑問です。
逆に経営者の立場に立つとどうでしょうか?顧客へ提供する価値を生み出しているのは間違いなく現場です。その現場がTOPの言われたことだけ淡々とやる集団であれば、TOPがどんなにすばらしい方針や戦略を打ち出しても、すぐに他社に真似されて陳腐化するか、もしくは実行にすら至らず実現されないかも知れません。逆に現場が自ら考え、行動する人たちの集団であれば、経営者としてこれほど心強いことは無いでしょう。
良いものを作っていれば売れていた時代はとっくの昔に終わっています。企業はいかにして利益を生み出すかに知恵をしぼらなければならず、コストをしぼり、生産性を上げるための努力を強いられます。しかし、企業で働く人たちは当然豊かになりたいと望んでいます。その点ではQCのような活動に対してあまり意義を見出せない人も増えているでしょう。しかし、残業代をもらって多少収入が増えたとしても、企業自体の売上も増えなければ当然利益は圧迫されます。仮に赤字になりでもしたら、そこで働く従業員は誇りを持って働けるでしょうか?日本は企業とそこで働く人の新しい形を作っていかなければなりません。簡単には答えは出ないでしょうが、「働く喜び」「仕事に対する誇り」そしてそれを共有できる「小さな組織」そういったことがキーワードになると考えています。

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