2007年11月28日水曜日

◆マツダのディーラーで①

 昨年新車を購入しました。マツダのプレマシーです。普段はあまり乗る機会がないのですが、ミニバンの割りにふらつかない安定した走りや、ちょうどよいポジションなど、結構気に入っています。

 先週末は、12ヶ月点検ということで、マツダのディーラーに行ってきました。そこで点検を待っている間、購入時に担当してくれた営業の方と話していました。この営業の方は昨年の商談時、対応が実に的確かつ信頼のおける印象で、長くお付き合いしたいと思わせてくれる方です。当時、実は別のメーカーの車種も検討しており、そちらの方が価格も安くはあったのですが、営業の対応がはっきりと違っていました。簡単にその違いを記述すると、
 
<最初の来店時>
 マツダ:まずは「皆様にご記入いただいておりますので」ということでアンケート
の記入を求めてきた。(当然アンケートには予算や現有車両の車検
時期 など核心をつく質問が入っています)
      ⇒その後試乗をし、希望するオプションをすべて挙げると予算を60万
       ほどオーバー。よくよく考えて不要なオプションを外しても、40万弱
       オーバー。その日は値引きの無い見積をいただいて帰りました。        

 某社 :最初の来店時、気になっている車種を聞かれた後はカタログにて
      延々とCVTなど、車の特徴を説明される。(興味があるから事前に
      ネット等で調べてますし、ほとんど知っていることばかりでした。)
      その後試乗を勧められ、試乗後戻って希望するオプションの話を
      しましたが、 午前中に妻と子供も一緒に行っていたこともあり、
      昼食の時間となってタイムアップ。最後にアンケートの記入を
      求められました。(最初に出してくれれば正直に書いたのに)
      ※ちなみにこのとき「私の裁量の範囲で」ということで10万値引き
        された見積をいただき、さらに帰宅後、私の外出中にナビ無しの
        見積を自宅に届けにきたようです。 

この両者の違いは簡単に言うと営業として「聞こう」としているのか「説明しよう」としているのかに尽きます。前者はお客様に合わせた提案をしようという姿勢が感じられますが、後者は商品の特徴を伝えようということに終始しています。今の時代、まったく情報を持たずに新車を買おうとする人などほとんどいないのではないでしょうか。ネットで引けば実際のユーザーの感想も見れますし、コンビニで立ち読みすれば、どの車種をどのように交渉すればいくら値引きが引き出せるかまで載ってます。知っている情報を延々と説明されるのはお客様にとって苦痛以外の何者でもありません。やはりお客様が対面の営業に期待することは、自分に合わせた提案をしてもらったり、自己流の情報収集だけでは気付かない視点に気付かせてくれることだと思います。

 具体的に私がこのとき、マツダの営業の方からどのような提案や気付きを得られたかについては、次回記述したいと思います。

2007年11月26日月曜日

◆「お客様」の定義

 「お客様の立場(視点)で」といったことを考える際、組織としてその視点に立った行動を実行に移していかなければなりません。しかしながら「お客様は神様です」ということで、何でもかんでもお客様の言いなりになっているのでは企業としての収益を上げていくための活動は立ち行かない、と考える方は多いのではないでしょうか。
 そもそも企業としてみた場合、「お客様」という言葉に対して、社員が思い浮かべる人物の顔は統一されているのでしょうか?BtoCの場合は一定の統一があるのかもしれません。BtoBの場合はどうでしょう。ビールメーカーの営業はどこを「お客様」と見ているでしょうか?自社からビールを仕入れてくれる卸店でしょうか、ビールを売ってくれる小売店でしょうか?営業が対面する人物はこれら組織に所属することが多いと思います。しかし本質的にはビールメーカの「お客様」というのはビールを買って飲む「消費者」ではないでしょうか。
 卸店も、小売店も、飲食店も、最終的にはこの本来のお客様である「消費者」を「お客様」として、ともに発展していくための「パートナー」と位置づけるしかないのではないでしょうか。
 仮にビールメーカの営業が「お客様」を小売店と見ていたらならば、そのメーカーは売り手の視点からの商品開発を続けることになります。そんな商品開発が最終消費者から受け入れられるかは疑問です。
 こういった「お客様」の定義は、顧客視点に立った行動を起こす上で、企業が最初に統一しておくべきものではないでしょうか。
 ビールメーカーのキリンは、競合(アサヒスーパードライ)の動きによって自分たちの動きを決め(コンペティタードリブン)、小売店を「お客様」とみて1ケースいくらというインセンティブによって営業する「価格営業」から真に消費者を「お客様」と位置づけ、その「お客様」が求めるものをベースに小売店、飲食店とパートナー関係を築いていく「価値営業」への転換に3年以上の期間を要したとのことです
キリンの流儀―これが「頭で考える営業」だ カネに頼るな、自分に頼れ!
キリンの流儀―これが「頭で考える営業」だ カネに頼るな、自分に頼れ!猪口 修道

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 お客様の定義を統一することで、お客様の立場に立った商品やサービスの開発、展開と企業としての収益をどう両立させていくかという課題に対して、答えに近づけるのだと思います。

2007年11月5日月曜日

◆集団浅慮

 集団浅慮という言葉があります。エリートと思われている集団が、傍から見れば「なぜそんな馬鹿なことを。。」と思われるような浅はかな思考を進め、間違った意思決定を行い、結果として物事を失敗という結果に導いてしまうような現象を指します。
 近年の企業の不祥事、殊にここ最近の食品会社の偽装事件などを見れば、集団浅慮の事例には事欠きません。この集団浅慮に陥らないようにするためには、個々人の「何かおかしい」といった直感や「別の見方もあるのではないか」といった仮説を重視し、それらの意見を出しやすくするといったことが必要になります。特に日本の会議では既に決まっていることを追認するような会議が多いように思われますが、これも集団浅慮に陥りやすい原因の一つかもしれません。
 これを防ぐために、企業としてはコンサルタントなど、外部の意見を積極的に取り入れたりするわけですが、コンサルタントの技量にも様々あったり、逆に外の耳障りな意見を受け入れるだけの度量が企業側に無かったりと、そう簡単にはいかないようです。
 ある本で紹介されていた一つのやり方としては、会議において、データや集められた情報を参加者に示す前に、議案について賛成か反対かを全員に聞いておき、ディスカッションする前にデータによって参加者の意見が一方向に偏らないようにしておくという方法もあるようです。
 ビジネスシーンににおいて、この集団浅慮の問題もまた、常に顧客の視点に立って考えているか、議論が内向きになっていないかという問いを繰り返し、訓練していく他ないのだと思います。(それにしても「思います」で締めることが多いな、このブログ。。きっと実践が足りないんですね。反省)